タイは、不使用取消審判の制度を採用しており、登録商標が、その指定商品・役務について3年間使用されていない場合、第三者がその登録の取り消しを求めることができます。
しかしながら、タイにおいて不使用取消審判を成功させるのは、以下の理由により非常に困難です。
(理由1)
不使用取消審判における証明責任に関し、例えば、日本では、権利者側が登録商標を使用していることを証明しなければならないところ、タイでは、不使用取消審判の請求人側が、登録商標が不使用であることを証明しなければなりません。
「不使用」を証明することは大変困難であり、通常、膨大な証拠の提出が求められます。
(理由2)
その登録商標が実際に不使用である場合においても、商標権者は、不使用は特段の事情によるものであって、商標権を放棄する意思はない、と証明することにより取消しを免れることができます。
このように、タイでは不使用を理由にその登録商標を取り消すことが難しいため、タイへの進出の可能性が少しでもある場合には、第三者に先に登録されてしまわないように、早めに商標登録出願を行うことをお勧めいたします。裏を返せば、商標を使用する予定がかなり先の場合であっても、不使用により登録が取り消されるリスクは小さいため、他国に比べて早めに出願するメリットは大きいと思われます。
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