識別力のない商標を登録するためには、どの程度のデザイン性が必要か?

商標登録のためには、商標法に規定する登録要件をクリアする必要がありますが、商標登録出願を行っても登録にならないものの1つに、「自己と他人の商品・役務(サービス)とを区別することができないもの」があります。これは、「(自他商品・役務の)識別力がない」と言われるものです。

例えば、アルファベット1文字からなる商標は、原則として「識別力がない」と判断されて、登録にはなりません。これらは、商標法第3条第1項第5号に規定する「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」に該当するとして、拒絶されます。

一方、アルファベット1文字からなる商標であっても、次の2つの観点から、文字をデザイン化すれば、登録の可能性がでてきます。

  • 「その構成が極めて簡単なもの」とは言えず、かつ、「商品の品番等として一般的に使用されるありふれたもの)」には該当しないようにデザイン化する。
  • デザイン自体が商標の要部になるため、他人の登録商標のデザインに似ない(類似しない)ようにデザイン化する。

以下は、アルファベット1文字の「✕」からなる商標であって、デザイン化によって識別力を有し、先登録商標と互いに似ていない非類似の商標と判断されて、同一・類似の商品について共存している登録商標です。

太さの異なる2本の斜線で構成されている点が共通しますが、非類似と判断されています。
第5454102号 登録5564766号
ソニー株式会社 富士フイルム株式会社
青、赤、黄色、緑の4色で構成されている点が共通しますが、非類似と判断されています。
第5705118号 第5925935号
グーグル インコーポレイテッド 日置電機株式会社
白抜きのXが内部に配置されている点が共通しますが、非類似と判断されています。
第6163283号 第6285336号
ANAホールディング株式会社 株式会社電通

 

上記登録例をみますと、同じアルファベットをモチーフにデザイン化した場合、デザインの幅が限定されることから、ある程度のコンセプトの共通点は、許容されると考えられます。

裏を返せば、権利範囲が狭くなりがちで、他社との差別化が困難になる場合も考えられますので、出願前には必ず商標調査を実施して、他社の登録商標を確認の上、出願商標のデザインコンセプトを検討することが重要です。

 

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